「気づけば水槽に小さなエビがいっぱい!」そんな嬉しい瞬間を夢見て、ミナミヌマエビの繁殖にチャレンジしてみませんか? 自然に繁殖することもあるミナミヌマエビですが、しっかりと増やしたい方のために、抱卵した親エビを見つけた後の適切な飼育方法を詳しく解説します。
せっかく生まれたミナミヌマエビの赤ちゃんは、小さなため、混泳している魚(例えばメダカなど)に食べられてしまうことがあります。また、水槽の掃除や水換えの際に誤って流してしまう可能性も。そこで、ミナミヌマエビを効率的に繁殖させるためには、隔離して専用の環境を用意するのがおすすめです。
本記事では、ミナミヌマエビの繁殖を成功させるための以下のポイントを徹底的に解説します。
繁殖準備:必要なもの

繁殖のために特別なものは必要ありません。手軽に準備できるものばかりです。
- 飼育ケース: 100円ショップのクリアプラケースでも十分に活用できます。
- 隠れ家となる水草: マツモを1本、またはメダカ用の産卵床を用意しましょう。
- ポイント:ミナミヌマエビは餌がなくても水草があれば生き延びることができます。稚エビの隠れ場所にもなるため、必ず用意しましょう。
【重要】抱卵した親ミナミヌマエビを見つけたら?隔離のタイミングと方法

ミナミヌマエビが抱卵しているのを発見したら(2023年8月20日の例)、落ち着いて隔離の準備をしましょう。
- 用意した飼育ケースに、元の水槽の飼育水を入れます。
- 抱卵した親ミナミヌマエビを丁寧に捕まえ、準備した飼育ケースに移します。
- 隔離する際は、水質変化を避けるために、30分程度かけてゆっくりと水合わせを行いましょう。
隔離時の注意点:水質変化と脱卵のリスク

ミナミヌマエビは水質変化に敏感です。急激な水質変化は、抱卵中の親エビがストレスを感じて脱皮し、大切な卵を落としてしまう原因になります。
- ポイント:隔離にはなるべく元の水槽の飼育水を使用し、稚エビが孵化するまでは極力水換えを控えましょう
(私は、新水を使用してしまうケースが多いですけど、その代わり、水合わせを丁寧目に行います。)
抱卵期間の観察ポイント:卵の色の変化

抱卵したミナミヌマエビの卵は、成長とともに色が変化していきます。
- 産卵直後: 卵の色は黒色をしています。
- 中期: だんだんと卵の色が茶色に変化していきます。(写真参照:「だんだん、卵が茶色くなってきた」)
- 孵化間近: 卵の色が半透明になれば、稚エビの孵化はもうすぐです。


一般的に、ミナミヌマエビの抱卵期間は2週間~4週間程度です。焦らず、卵の色の変化を観察しましょう。抱卵した親エビを見つけても、すぐに隔離しなくても間に合うことが多いです。
親エビから卵がなくなったら?孵化した稚エビの確認
親ミナミヌマエビが抱えていた卵が見当たらなくなったら、いよいよ赤ちゃんエビ(稚エビ)が孵化しています。生まれたばかりの稚エビは1ミリにも満たない非常に小さなサイズなので、見つけるのが難しいかもしれませんが、飼育ケース内を注意深く観察し、小さな動きがないか探してみましょう。
親ミナミヌマエビは、稚エビが孵化したら、元の水槽に戻してあげましょう。

親ミナミヌマエビは、元の水槽に戻すのが遅すぎると、赤ちゃんエビの水槽がフンまみれになりますし、元の水槽に戻すのが早すぎると、また卵をもったままだったりしますので注意です。親ミナミヌマエビが、脱皮したタイミングを見つけたら元の水槽に戻すチャンスです。
赤ちゃんミナミヌマエビの飼育方法:ベアタンクという選択肢

マツモやメダカ産卵床は、稚エビにとって落ち着ける隠れ家となりますが、稚エビの成長をより詳しく観察したい場合は、あえて底砂や装飾品を一切入れないベアタンクでの飼育もおすすめです。
稚エビの餌と頻度:成長を促すための給餌

完全にベアタンクで飼育する場合(水草も入れていない場合):
- 餌は1日に1回、グリーンウォーターをスポイトで1杯程度与えます。
- ポイント:メダカを飼育している場合は、グリーンウォーターが手に入りやすいでしょう。
ただし、ベアタンクでの飼育は、水草がある環境に比べて稚エビの成長が遅く感じることもあります。
ザリガニの餌は有効?稚エビの成長に合わせた餌選び

ある程度、稚エビのサイズが大きくなったら(数ミリ程度)、100円ショップなどで購入できるザリガニの餌を少量(1粒程度)与えてみましょう。頻度は数日に1回で十分です。
20匹程度の稚エビがいるベアタンクケースにザリガニの餌を1粒入れると、稚エビたちが群がって食べる様子が観察できます。

朝に餌を与えると、夜には綺麗に食べきっていることが多いです。これは稚エビがお腹を空かせているサインです。
(私の環境の場合、3日に一回程度です。ミナミヌマエビの背中の筋の色がなくなってきたら餌をあげます。)
メダカの赤ちゃん用フードも活用できる!

メダカの赤ちゃん用の餌も、稚エビによく食べられます。親エビがメダカの残り餌を食べてくれることからもわかるように、相性は良いようです。
メダカの赤ちゃん用フードは、与える量を細かく調整できる点がメリットです。
稚エビ飼育中の水換え:頻度と注意点
本的に、餌を少量しか与えていない場合は、1週間程度水が持つこともありますが、見た目に水が汚れてきたと感じたら、水換えを行いましょう。
(私の場合は、3日~1週間に1回程度の頻度で水換えを行っています。)
水換えの方法:
- 稚エビが誤って吸い込まれないように注意しながら、計量カップなどで飼育ケースの上部の水をゆっくりと掬い取ります。
- 減らした分の水を、点滴方式でゆっくりと新しい水(カルキ抜きをした水)を流入させます。
- ポイント:点滴での流入方法は、必要であれば関連情報を検索して参考にしてください。
点滴での流入方法は、詳細は以下のリンクを参考にしてください。
この飼育を繰り返しながら、赤ちゃんエビが1cm程度の大きさになるまで隔離ケースで大切に育てます。1cmほどの稚エビに成長したら、元の水槽に戻してあげましょう。

適切な餌を与えれば、稚エビは順調に成長します。ただし、5mm程度の大きさだと、室内水槽で飼育する場合、まだ水槽掃除の際に邪魔になることもあるかもしれません。
【裏技?】隔離ネットを活用して水槽を綺麗に保つ

汚れてきたメダカ用の隔離ネットに稚エビを入れておくと…(2023年8月20日の例)
しばらくすると…(2023年9月8日の例)

なんと、稚エビたちが隔離ネットを綺麗に掃除してくれていました! そして、稚エビも順調に成長しているようです。
まとめ:ミナミヌマエビの繁殖を成功させて、水槽を賑やかにしよう!
この記事では、ミナミヌマエビの繁殖、特に抱卵した親エビを見つけた後の隔離方法から稚エビの育て方までを詳しく解説しました。ポイントを押さえれば、初心者の方でもミナミヌマエビの繁殖を成功させ、水槽をより一層賑やかにすることができます。ぜひこの記事を参考に、ミナミヌマエビの繁殖にチャレンジしてみてください!
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