「残業は月100時間未満なら合法」
正直、私もそう思っていました。
でも調べてみて分かったのは、
残業の上限は、法律だけを知っていても足りないということ。
実際には、
会社ごとに定められた「36協定」で、もっと厳しい上限が決まっている
ケースが少なくありません。
この記事では、
- 残業の法律上の上限
- 36協定で決まる本当の残業上限
- 36協定はどこを見れば分かるのか
を、実体験ベースで整理します。
「100時間までなら大丈夫」と思っていた人ほど、
一度、確認してほしい内容です。
法律で決まっている残業の上限(1日8時間・週40時間)
まずは、基本となる法律のルールからです。
労働基準法では、
法定労働時間が次のように定められています。
- 1日:8時間
- 1週:40時間
これを超えた分が、
法定労働時間外労働(=残業)になります。
特別条項付き36協定がある場合
臨時的・特別な事情があるときに限り、次の上限まで認められます。
- 単月:100時間未満
- 複数月平均:80時間以内
- 年:720時間以内
- 月45時間超は年6回まで
ここだけを見ると、
「最大100時間までOK」と思ってしまいがちです。
残業は法律だけ見てはいけない|36協定という落とし穴
ここが、私が一番勘違いしていたポイントです。
👉 法律の上限=自分の残業上限ではありません。
36協定で決まる残業の上限は会社ごとに違う
36協定(時間外・休日労働に関する協定)には、
会社ごとの具体的な残業上限が書かれています。
よくある例は、
- 単月の延長時間:80時間まで
- 単月の延長時間:75時間まで
- 単月の延長時間:90時間まで
などです。
つまり、
法律よりも厳しい上限を会社が自主的に定めている
ケースが普通にあります。
どうなるかというと…
例えば、
- 法律上の上限:100時間未満
- 会社の36協定:80時間まで
この場合、
👉 80時間を1分でも超えた時点でアウト
たとえ100時間未満であっても、
36協定違反=労働基準法違反になります。
「まだ100時間いってない」は、
まったく通用しません。
36協定はどこを見ればいい?特別条項の確認ポイント
確認すべき書類はこれです。
「時間外・休日労働に関する協定届」
その中の、
「特別条項付き時間外労働に関する事項」欄
ここにある
「1か月の延長時間」
が、その会社の絶対上限です。
※ 36協定届の実際の様式や、「特別条項付き時間外労働に関する事項」欄の位置は、厚生労働省が公開している記載例PDFを見ると一目で分かります。
厚生労働省|時間外・休日労働に関する協定届(特別条項)記載例
※ 2ページ目に書かれていることも多いので要注意。
36協定には開示義務がある|見せてもらえないのはおかしい
意外と知られていませんが、
36協定は労働者が確認できるようにする義務があります。
具体的には、次のいずれかが必要です。
- 事業場への掲示
- 書面での交付
- 社内イントラネットへの掲載
👉 労働者が見られない状態はNGです。
正しい聞き方
角が立つ必要はありません。
「36協定の写しを確認したいのですが、
どこで見られますか?」
これだけで十分です。
所定労働時間が短い会社は要注意
例えば、所定労働時間が7.75時間の会社。
- 法定8時間との差:0.25時間
- 月20日勤務:5時間分のズレ
この場合、
- 法定残業:75時間
- 所定ベース表示:80時間
という見え方になります。
「80時間超えてない?」と不安になるのは、
このズレが原因のこともあります。
※ただし、
36協定や法律の判断は、法定労働時間外で行われます。
36協定違反になるとどうなる?会社に起きる現実的なリスク
「違反すると実際どうなるのか?」
ここも現実的に重要です。
労働基準法違反になる
36協定は、
労働基準法36条に基づく法定協定です。
- 上限超過
- 特別条項の乱用
は、すべて労働基準法違反になります。
労基署の是正勧告・調査
違反が見つかると、
- 労基署からの是正勧告
- 勤怠・36協定・実績の提出
- 再発防止策の提出
が求められます。
特別条項が常態化している会社は、
重点的にチェックされやすくなります。
悪質な場合は書類送検も
是正されない場合、
- 会社
- 代表者・責任者個人
が書類送検される可能性もあります。
罰則は、
6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。
健康被害が出ると一気に重くなる
36協定違反の状態で、
- 体調不良
- メンタル不調
- 労災・休職
が起きると、
👉 安全配慮義務違反
👉 損害賠償リスク
が現実のものになります。
まとめ:本当に知るべき残業の上限
今回、一番強く感じたのはこの点です。
残業の上限は、
法律だけを知っていても足りない。
本当に守るべきなのは、
自分の会社の36協定に書かれた数字だった。
36協定は、
- 見られる
- 守る必要がある
- 破ると現実的なリスクがある
――れっきとした「契約条件」です。
もし一つだけ確認するなら、
36協定の「特別条項・1か月の上限時間」。
これを知らずに働くのは、
制限速度を知らずに運転するのと同じだと思いました。

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