請負でリスクが高すぎる仕事が来たとき、どう契約する?準委任の現実的な選び方(履行割合型・成果完成型)

仕事の話
仕事の話

これは、システム開発だけでなく、サーバー・ネットワーク・クラウドなどのITインフラ業務を含め、業務委託の見積を考え、提示する立場から見た「請負契約と準委任契約の選び方の話」です。

請負契約そのものが問題というわけではありません。
要件が固まり、作業範囲やスケジュールが見えている仕事であれば、請負は非常に合理的な契約形態です。

ただ実務では、

  • 要件が完全に固まっていない
  • 実際にどこまで対応が必要か読めない
  • スケジュール的に間に合うか判断しきれない

といった、そのまま請負で受けるにはリスクが高すぎる仕事が来ることがあります。
断るほどではないが(社内外事情で断れなく)、請負として約束してしまうのは怖い。
見積を出す立場であれば、一度は直面する場面ではないでしょうか。

本記事では、請負が難しい案件が来たとき、どのように契約形態を組み立てるのが現実的かを軸に、準委任(履行割合型・成果完成型)の考え方と使い分けを整理します。

請負でリスクが高すぎる仕事が来るのはどんなときか

請負が難しくなるのは、仕事の内容そのものに不確実性が残っている場合です。

  • 作業範囲を事前に確定できない
  • 手戻りや調整が前提になっている
  • 期限はあるが、実現可能性を見極めきれない

特にITインフラ案件では、

  • 機器・ソフトウェアの保守期限(EOS/EOL)が迫っている
  • ベンダーサポート終了時期が決まっている
  • 移行後の動作確認(他者事情・外部要因)をしないと次に進めない

といった事情から、「完成したかどうか」を検収で判断する前提になりやすく、不確実性を完全に排除できません。

なぜ請負で受けるとリスクが高くなりやすいのか

請負契約では、成果物の完成・引渡しが報酬発生の軸になります。
加えて実務では、期日(納期)や検収条件が履行条件として重要になります。

不確実性が高い仕事では、

  • 完成の定義を見積段階で固めきれない
  • 変更と追加作業の境界が曖昧になりやすい
  • 期日遅延や検収未了時の扱いを事前に整理しきれない

という問題が同時に発生します。

完成・期日・検収のすべてがリスク要因になります。

見積を出す側からすると、
請負のリスクは「責任が重い」ことではなく、
完成責任の範囲を契約時点で確定できないことにあります。

請負が難しい案件で準委任を選ぶという考え方

請負が難しい仕事でも、
「では準委任にすればすべて解決する」という話ではありません。

ただ準委任は、
成果ではなく役務の提供を前提に契約を組み立てられるため、
不確実性を契約条件に織り込みやすい特徴があります。

請負が
「完成・引渡し(+期日・検収)」を約束する契約
だとすれば、
準委任は
「判断・調整・対応を含めた業務遂行そのもの」を評価する契約です。

【結論を先に】契約形態ごとの責任と支払い判断の違い

契約形態ゴールを考え続けるのは誰か支払い判断の基準
履行割合型準委任発注側提供された役務(時間・作業内容)
成果完成型準委任受注側合意した成果への到達度
請負契約受注側成果物の完成・引渡し(※期日・検収は履行条件として重要)

この違いが、そのまま
管理の重心と見積リスクの大きさに直結します。

準委任には2つの考え方がある|履行割合型と成果完成型

履行割合型準委任

  • 発注側がゴールや優先順位を考え続ける
  • 役務(時間・作業内容)をもとに支払い判断
  • 調査・検討・調整フェーズ向き

成果完成型準委任

  • 受注側が成果への道筋を考え続ける
  • 合意した成果への到達度で支払い判断
  • 日々の進め方や工数管理は受注側に委ねる

どちらも準委任ですが、
誰が判断を引き受け、何を見て支払うかが明確に異なります。

履行割合型準委任における責任と管理

履行割合型では、発注側が業務の舵取りを担います。

  • 今何を優先するか
  • どこまでを今回の作業範囲とするか
  • 想定とズレていないか

といった点を確認しながら、
提供された役務の内容と量を管理します。

成果完成型準委任における責任と管理

成果完成型では、管理の軸が変わります。

発注側は、

  • 成果の定義
  • 節目での確認
  • 最終成果の確認

に集中します。

一方、受注側は、

  • 成果に向けた進め方の判断
  • 調整・対応の引き受け

を担います。

成果完成型は、
請負ほど重い完成責任や契約不適合責任を、見積段階で契約上の約束として引き受けるにはリスクが高すぎる
という場面に適した契約形態です。

請負が難しい仕事には、まず履行割合型で受ける

要件や作業量が読めない段階では、
いきなり成果を約束するより、履行割合型の方が現実的です。

  • 現行環境の調査
  • 設計の整理・検討
  • 運用改善の洗い出し
  • 移行に向けた事前確認

見えてきた段階で成果完成型に切り替える

整理が進み、

  • やるべき内容が明確になった
  • 成果の形を定義できた

この段階では、成果完成型準委任が有効です。

この段階で要件や作業範囲が十分に固まり、
完成責任と期日を契約上約束できる状態にな

結論|請負でリスクが高すぎる仕事が来たときの考え方

請負は、条件が整った仕事では有効です。
ただし、条件が整っていない仕事まで無理に請負で受ける必要はありません。

見積を出す立場から重要なのは、
仕事の性質に合わせて契約を選ぶことです。

請負でリスクが高すぎる仕事が来たときは、

  • 断るか受けるか、ではなく
  • どういう契約で受けるかを考える

準委任(履行割合型・成果完成型)は、
そのための現実的な選択肢になります。

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